[カギ] 「一眼レフではじめる商品写真撮影のイロハ」という写真撮影講座に参加した

アクセサリを撮影用照明ライトを使って撮影する参加者

写真撮影の事でわからない事があり、ネットで調べるととっても分かり易く説明してくれるサイトがいくつもある。その中で素人向けの写真講座/撮影講座をされている方がいて、いつかは参加したいと思っていた。

そんな中、自分でも参加できそうな、かつ、前から興味のあった「ブツ撮り」に関する講座が開かれたので参加してきた。


渋谷区のウェブ講座「一眼レフではじめる商品写真撮影のイロハ」by 中原 一雄 | ストリートアカデミー東京

わからない時に調べる度に検索結果に現れてはサッと解決させてくれるサイトが「studio9」。書かれている内容が自分の様な初心者に分かり易く、難しいものも噛み砕いて説明されているのでお気に入りのサイト。


studio9 | 写真・カメラ情報サイト(すたじお・きゅう)

そのサイトを運営されているのが中原一雄さん。

講座やワークショップの告知をよくTwitter上でされていて、今回のイベントについても事前にTwitter上での発言があった。

20名程度の募集数だったので悩んでたらスグに残り1名になってしまい、慌てて申し込んだ。この講座は好評のようで「また開催したい」と仰っていたので次回も開かれるかもしれない。

講座の概要

paperboy&co.社主催の商品撮影講座で渋谷セルリアンタワーにて開催された。

会場の前方に三脚に据え付けられたカメラとスタンドライト、撮影用照明用ライトがセッティングされている

会場の前方に三脚に据え付けられたカメラとスタンドライト、撮影用照明用ライトがセッティングされている

講師はpaperboy&co.社 山下さんで講座の先生は前述の中原さん。

先生の中原一雄さん

先生の中原一雄さん

基本的に中原さんの進行で講義→デモ→ワークショップ、の流れ。

冒頭の講義部分では中原さんがプレゼン形式で説明をされながら山下さんが補足やコメントを入れていく役割分担だった。

まずは講義で説明される中原さんと手前の山下さん

まずは講義で説明される中原さんと手前の山下さん

山下さん補足に関するPC画面を確認して進められる中原さん

山下さん補足に関するPC画面を確認して進められる中原さん

最初にカメラと光の関係、光の大切さについて説明があった。

カメラ=”光の記録”

カメラは対象物が発する光を取り込むのではなく、その対象物に反射した室内の蛍光灯や窓からの太陽光を取り込み、記録している。

そのため対象物を変えるのではなく、光源を変えただけで綺麗に見えるようになり、その光の向きを変えただけで見た目をガラッと変える事が出来る。

当日の講座ではその光を操ることに着目したものだった。それも身の回りにあるものを使って出来る、簡単なTIPSを交えて教えていただいた。

前面のディスプレイにプレゼンや撮影画像を表示させながら説明される中原さん

前面のディスプレイにプレゼンや撮影画像を表示させながら説明される中原さん

人工光と自然光

まず、自然光はその名の通り、初心者が撮っても自然な結果になりやすい。自然に見せるための技術やノウハウは必要無く、誰もが言葉通りの”自然な仕上がり”にできる。

しかし、晴れた日の透明感のある飲み物を撮るなど一定の条件が揃う必要があるため、ECショップの商品を効率よく撮りたい時には不向き。

その点、人工光はいつでも誰でも同じ効果が得られ、技術次第であらゆる表現が可能になる。難点としてはその知識やノウハウを体得するための学習コスト、機材コストがかかる、という事くらい。

蛍光灯の光(持続光?)とストロボの光(瞬間光)

ずっと光り続ける蛍光灯ライトは光の状態が分かり易いが、光量が小さい。逆にストロボの光は撮影時の(光った時の)光の状態を計算して撮影する必要があるが、光量が大きく、使い方によっては表現の幅を広げる事が出来る。

本講座では人工光の、それも蛍光灯タイプのライト(照明ライト)を活用した商品撮影についてフォーカスを置いた説明がされた。

デスクライトでも撮影専用の照明ライトでも手に入りやすいもので始め、必要に応じた機材を足していく事を先生はオススメしていた。

例えばスタンドライトも有効

例えばスタンドライトも有効

撮影用照明ライト選定のポイント

撮影をする部屋の照明と撮影用照明ライトの色温度をそろえる事を基本のポイントとしてあげられていた。いわゆるミックス光を避ける事が目的。

ミックス光は後から色の補正がし難く、対象物の色が正しく出ない事がある、と説明された。

なお、先生のオススメは5,000Kの昼白色(ナチュラル色)。太陽光とほぼ同じで、扱い易い、との事。

小型の撮影用照明ライトは取り回しが利き、希望の場所に手で移動させる事が出来る

小型の撮影用照明ライトは取り回しが利き、希望の場所に手で移動させる事が出来る

また、(現在流通している)LEDの撮影用照明ライトは色の再現性が悪いのでオススメされていなかった。もう少し技術が進んで良いものが安く購入できるようになれば変わってくるかも知れない、と言うコメントだったので「LED=撮影に使えない」ということではないみたい。

更に撮影用の照明ライトは大きくて困ることはないので「迷ったら大きい方を買え」らしい。もちろん、価格や設置場所が許せば、という意味で。

オススメのカメラ設定

  • 撮影モード:絞り優先
  • F値:F4~5.6程度
  • ISO感度:AUTO
  • ホワイトバランス: AUTOか蛍光灯
  • AFモード:シングルAF
  • AFエリア:中央AF

ISO感度については慣れたらシャッタースピードが1/100秒程度になるように調整して使って欲しい、との事。最近のカメラはISO800程度までは常用できるので高感度で画像が荒れることも少ないため、あまりシビアにならなくても良さそう。

ソニーのカメラを持ってる自分からするとキヤノンやニコンのユーザはもっとISO感度を上げても良さそうに思う。

また、絞り優先になっているので露出補正で調整。白背景の場合は+1.0~1.7、黒背景の場合は-0.7~-1.3位を仮の基準点として紹介されていた。状況や対象物によって調整をしていく。

ブツ撮りは三脚が基本なのかと思ってたけど手持ちでも構わない、という点には驚いた。

デモでは効率のために三脚を設置しての撮影だった

デモでは効率のために三脚を設置しての撮影だった

明るめに撮る事が”商品”撮影の基本、との事。露出を低めにしてシャープな感じを好む自分にはなかなか難しかった。

なお、色味は後からなんとでもなるが、ピントはどんな有能なレタッチャがいても修正できないので必ずピントがずれていない写真を撮るのが鉄則。

 光の向きによる印象の違い(デモ)

 上記の講座内容を踏まえてまずは先生の中原さんがデモンストレーションをされた。

前面でデモをする中原さんを囲むように受講生が話を聞く

前面でデモをする中原さんを囲むように受講生が話を聞く

デスクライトでのデモ

まずは簡単に用意できるスタンドライト。光を当てる向きを変えるだけで印象が変わる事を伝えるデモとなった。

真上(ちょっと前)から光を当てて、影を出さないライティングを基本形にし、光の当てる向きを変えることで結果の違いを見せていただいた。

正面から当てて、ロゴを明るく、影を少なく撮影

正面から当てて、ロゴを明るく、影を少なく撮影

正面から当てるとノッペリしてしまって質感が出ないからオススメしない事がある(しかし、この時はその他の光の加減がちょうど良く、悪くない出来合いになってしまった、との事)

次は鉄板の斜め前から撮影し、立体感を出す

次は鉄板の斜め前から撮影し、立体感を出す

食品系は後ろから光を当てて逆光で撮影

食品系は後ろから光を当てて逆光で撮影

正面から(左)と逆光気味(右)

正面から(左)と逆光気味(右)

斜め前から光を当てる鉄板のライティングの場合は左右どちらの斜め前からでも構わない、との事。サイトの構造等から決定しても良いみたい。

デスクライトの欠点は対象物には光が当たるけど、背景に光が当たらない事。それを踏まえて小さな対象物にするとか、足りない背景分は別のライトを用意するとかで対応する。

レフ板による効果

 基本的に光が回り込めば回り込むほど綺麗に見えるらしい。

レフ版では一方からライトを当てると反対側に影が出来てしまうのをおさえる事ができる。

自分で作ってしまうことを勧められていたので早速、やってみたい。

スチレンボード5mm×2枚をテープでつなげて自作されたレフ板

スチレンボード5mm×2枚をテープでつなげて自作されたレフ板

布素材の商品を撮影する場合にはその質感を正しく伝えるライティングが必要となる

光の方向を微調整する中原さん

光の方向を微調整する中原さん

光を回り込ませるためにレフ板を活用

光を回り込ませるためにレフ板を活用

 アクセサリなどの小物を撮る時にはマクロレンズを使って出来るだけ大きく撮る。手に巻いたり、何かに引っかけたりして使われてるシーンをイメージできるように撮影するのがコツ。

小物撮影用に用意されたマクロレンズに変更

小物撮影用に用意されたマクロレンズに変更

シルバーの小物は反射して写ってしまうので光を良く確認する事が必要

シルバーの小物は反射して写ってしまうので光を良く確認する事が必要

シルバーの小物を撮影(レフ板なし)

シルバーの小物を撮影(レフ板なし)

レフ板で光を回らせると同時に反射させたくない箇所をレフ板で隠す

レフ板で光を回らせると同時に反射させたくない箇所をレフ板で隠す

陰影が出てしまっている左とレフ板でふんわりとした光に包ませる右

陰影が出てしまっている左とレフ板でふんわりとした光に包ませる右

また、主にディフューザーを用いて光源が強い堅い光を全体にふわっとさせ、”柔らかい光”にする事もオススメされていた。

柔らかい光(左)と堅い光(右)

柔らかい光(左)と堅い光(右)

堅い光の方が陰影が出て、しっかりと影の形(上記右側の写真上では左下に影の形)が出てしまっている。ふんわり光を回り込ませるためにディフューザーとともにレフ版も有効。

 ワークショップ

実際に各人が持ち込んだアイテムを自分のカメラで撮影するワークショップとなった。

minneと30days Albumのご担当もお手伝いしていただいてのワークショップ

minneと30days Albumのご担当もお手伝いしていただいてのワークショップ

ECショップで商品撮影になれている人も多く、対象物のセッティングの仕方、カメラの角度など見ているだけで勉強になった。

また、持ち寄った撮影対象物はクッキーなどの食品、やアクセサリや衣服、オブジェ(置物)や食器など様々なものがあった。

アクセサリを撮影用照明ライトを使って撮影する参加者

アクセサリを撮影用照明ライトを使って撮影する参加者

ビニールに包まれたお菓子の撮影

ビニールに入れられたクッキーなどのお菓子は光が反射して撮影が容易ではない。

中原さんの様なプロのカメラマンでも難しいらしく、他の参加者がその撮影のコツを質問していたので便乗して聞いてみた。

  • 出来るだけシワを取って乱反射を避ける
  • 全方位から光を当てて無駄な反射を防ぐ
  • プロの世界ではロゴの入ったシールを後から合成する事も
撮影の注意点について伺った

撮影の注意点について伺った

使用シーンをイメージさせる撮影

商品をよく見せるコツは「使われているイメージを撮る」という事らしい。

バッグハンガーの場合は実際にバッグを引っかけて撮影する。

一番良い位置を探す中原さん

一番良い位置を探す中原さん

自分も真似て撮ってみたけどなかなか難しい

自分も真似て撮ってみたけどなかなか難しい

「こんな感じかなぁ?」が撮れたけどピンボケしてた

「こんな感じかなぁ?」が撮れたけどピンボケしてた

対象物に合わせた構図/配置

自分が持ち込んだのはUSBチャージャ。

「USBポートが一つだよ」「コンセント部分が折りたためるよ」「こんなに小さいよ」「色のバリエーションがあるよ」を伝える構図/配置の写真をイメージしていた。

アドバイスをいただく前に持っていた撮影イメージ

アドバイスをいただく前に持っていた撮影イメージ

「形と色があるのが可愛いため、それを活かした方が良い」とのアドバイスがあったため、整列させて撮影。

教えてもらった構図/配置

教えてもらった構図/配置

その場合、商品の右側上部に入るハイライトがアクセントになるため「それが3つとも同じように入る撮影角度を模索すると良い」と更にアドバイス。

踏まえて撮った写真が次の写真。黒のハイライトの長さと赤のハイライトの長さが同じくらいになった。

USBスロット上のハイライトの大きさ、長さが均一になった

USBスロット上のハイライトの大きさ、長さが均一になった

また、撮影用照明ライトがない所で撮影するとやはり、光の感じが良くなく、のっぺりした。影の出方も全然違う。

撮影用照明ライトがない所で同じように撮影した場合

撮影用照明ライトがない所で同じように撮影した場合


自分で実際に撮影してみて「光の当て方」の大切さがよくわかる講座だった。

高価な撮影機材を購入しなくても、デスクスタンドや自作レフ版を使うだけでもう少し良い写真になる様に思える。

「光の当て方」の大切さ以外に今回のワークショップパートで痛感したのは撮影対象物を綺麗にレイアウトする力。

そういったものはセンス次第と諦めそうになったのだけど「撮影対象物によっては鉄板の撮影角度や構図/配置方法があるのでは?」とも思った。

minneご担当に「構図/配置レイアウト」について話してみたところ、撮影対象物と相性の良い鉄板レイアウトを集めて教える講座も考えたいと言われていたので開催された際には是非参加したい。

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