[カギ] ニッポンセレクト.com出店の京丹後フルーツガーリックについて現地でお話を伺ってきた

4月に現地レポーターとして訪問した創造工房社でフルーツガーリックについて色々教わった。


京丹後フルーツガーリック 100g

フルーツガーリックは創造工房社の作る熟成黒ニンニク。商品名。他の熟成黒ニンニクと比べて大きく違うのはその味。そして身体(健康)への影響(効果)。

その辺りについて創造工房社代表の早川さんにお話を伺った。

2日間お世話になった早川さん(同グループ会社の畑にて)

2日間お世話になった早川さん(同グループ会社の畑にて)

フルーツガーリックの味について

フルーツガーリックが作られるまで

「味」も「健康食品・サプリメント的な身体への影響」も主観的な要素が強いのだけど、早川さんはとても客観的なお話をしてくださる。こういったインタビューをすることに慣れていないので大変助かった。(その節は大変お世話になりました。)

また、フルーツガーリックについてをエントリーするにあたって、創造工房社の生い立ちがとても大きく関わっていた。

お話を伺う中で共通するメッセージを自分なりに紡ぐと「熟成黒ニンニクの作り方を教わって自分で作る時に、ニンニクやその栽培法、熟成方法にこだわりを持ったらフルーツのように甘い熟成黒ニンニクになっちゃった」という感じ。その真面目な取り組みが興味深かったし、フルーツガーリックの国内外問わず評判が良いという話も面白かった。

このフルーツガーリックを食べてみると確かに甘みがあって”フルーツ”なガーリック。発酵食品っぽさが無い、ニンニクの風味が無い、と言うわけではないけどそれらはとても少ない。最初はニンニクってわからないと思う。

創造工房社とフルーツガーリック

創造工房社のある北近畿タンゴ鉄道木津温泉駅

創造工房社のある北近畿タンゴ鉄道木津温泉駅

平日の昼間だったのでとても利用客が少ない路線だった

平日の昼間だったのでとても利用客が少ない路線だった

整理券を取り乗車する、ワンマン運転の電車

整理券を取り乗車する、ワンマン運転の電車

近畿タンゴ鉄道はこんなかわいい電車

近畿タンゴ鉄道はこんなかわいい電車

現在は自社で熟成黒ニンニクを作り、フルーツガーリックとして販売しているが、元々は熟成黒ニンニクの製造業者へ卸すニンニクを作ることから創造工房社は始まった。丹後の地で新産業を育成する目的だったのは前回のエントリーに書いた通り。

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フルーツガーリックは海外を含めた多くの地で評価を受ける。その時の出会いや繋がりを経て、今では他国(スペインなど)での生産・製造を支援している同社。数は少ないが、丹後産のフルーツガーリックは海外への販売もされている。今後はタイや台湾で販売していく計画もあるとか。

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フルーツガーリックの製造

ニンニクを作り、フルーツガーリックとして出荷するまでの流れは次の通り。

1 10月頃 植え付け
2 6月初旬 収穫
3 2週間 乾燥
4 1ヶ月 熟成

約8ヶ月かけて栽培されたニンニクを保存のため一気に乾燥させて、1ヶ月かけてじっくり熟成させる。

グループ会社(株式会社フルーツガーリック)の5haの畑のうちの一つを工場取材前に見学させていただいた

グループ会社(株式会社フルーツガーリック)の5haの畑のうちの一つを工場取材前に見学させていただいた

茎の首が太く、大きなニンニクが土の下になっていることがわかる

茎の首が太く、大きなニンニクが土の下になっていることがわかる

極力農薬を使わない方法で栽培しているので通路にも若干の草が生えている

極力農薬を使わない方法で栽培しているので通路にも若干の草が生えている

訪問した時はちょうど「ニンニクの芽」を抜き取る作業の直前で、その打ち合わせをされていた

訪問した時はちょうど「ニンニクの芽」を抜き取る作業の直前で、その打ち合わせをされていた

葉と葉の間から伸びている茎が「ニンニクの芽」

葉と葉の間から伸びている茎が「ニンニクの芽」

抜き取ったニンニクの芽

抜き取ったニンニクの芽

試しに抜いてみた収穫直前のニンニクはしっかりと育っていた

試しに抜いてみた収穫直前のニンニクはしっかりと育っていた

乾燥後のニンニクを熟成庫(現在では1.5t/月の熟成能力を持つ)で熟成させ、出来たものから出荷している。

好調に見える同社のフルーツガーリック作りも、素人同然から始めた為、良いお話ばかりが続く訳では無く、色々なトラブルがあった。

例えば、初年度に買い付けた500万円分のニンニクを預けていた保管庫の空調機が故障していたお話もその一つ。

一番最初に収穫をしたニンニクを保管していた倉庫が、本来であればマイナスの温度で保たれなくてはならないのに10度前後になっていた。結果、ニンニクは発芽してしまって使い物にならなくなったとか。

この他にも人が関係するもの、制度か関係するもの、様々な失敗話を伺う。やっぱり当たり前が当たり前のように出来るようになるまでって、そんなに簡単なもんじゃない。

そんなとんでもないトラブルを乗り越えたからこその強みが同社にはある。

収穫したニンニクは先ず乾燥にかけられる

収穫したニンニクは先ず乾燥にかけられる

わかり難いけど熟成庫内

わかり難いけど熟成庫内

1ヶ月の熟成を終え、出荷待ちをしているフルーツガーリック

1ヶ月の熟成を終え、出荷待ちをしているフルーツガーリック

一つずつ丁寧にパックされている

一つずつ丁寧にパックされている

小さい塊にして加工用のニンニクも用意される

小さい塊にして加工用のニンニクも用意される

瓶詰め、ラベリングも手作業

瓶詰め、ラベリングも手作業

ニンニクは作られた場所や時期毎に分けられて丁寧に処理される

ニンニクは作られた場所や時期毎に分けられて丁寧に処理される

見学させていただいた限り、特別な化学物質や加工物を混ぜる工程がある訳でも、合成された薬品に漬け込むステップがある訳では無い。

ニンニクを健康に育て、丁寧に乾燥・熟成することで、美味しい熟成黒ニンニクになる。

製造工程にて他社では真似の出来ない技術を取り入れている所はあるが、栽培~収穫~製造の流れの中に特別な秘密の工程は見付からない。

収穫直前のニンニクがとても元気に育っていた

収穫直前のニンニクがとても元気に育っていた

創造工房社とQueroTango社

早川さんはご自身や自社のことを「商売人根性が足りない」「(携わった人との)関わりを重視するが余り、爆発的な利益に結びついていない」と仰っていた。しかし伺う限り、その”人との繋がりを重視”するが故に実った新しい展開がいくつもある。

スペインでニンニクの栽培、熟成黒ニンニク製造の会社を共同で設立しているのがそれ。

後述する食の展示会等でフルーツガーリックは多くの人に紹介されるが、その際に有機農法で育てたブドウでワインを作っている方と知り合う。フルーツガーリックを大変気に入ったその人は早川さんとのやり取りを経てQueroTangoという会社を共同で設立することになる。これは早川さん達の「繋がり」を大切にするスタンスが無ければ実現できなかったと思われる。


Menu ingles
ドンキホーテが産まれたとされる風車の街”Quero”と”丹後(Tango)”を併せて名前を”QueroTango”とされた

なお、QueroTangoで熟成黒ニンニクが売れるとその売上げ分、報酬としてワインが早川さんの元に届く。熟成黒ニンニクの事業が盛り上がれば盛り上がるほど彼のワインが売れていくという寸法。

早川さんも「素晴らしいワインを日本に紹介できるのでお互いにとって良い面しか無い」と。仕組み作りが上手だ。

フルーツガーリック直販のお店 / ワインセット


About us
About usページに早川さんが

海外での販売や現地での栽培、製造の支援をするなど多角的な活動を行いながら、フルーツガーリックの品質向上は積極的に行われる。

商品として完成した感のあるフルーツガーリックだが、早川さんは言う。

「埋めなくてはならない穴はいくつもある。幸運なことにそれらが全て明確になっている。だから”それら”に取り組みさえすれば改善されていき、更に品質の高いフルーツガーリックになる。」

健康なニンニクの栽培、美味しいフルーツガーリックの製造、必要としている人へ届ける為の販売活動など多岐にわたるが、同社は一つ一つ取り組んでクリアしていく姿を崩さない。

フルーツガーリックの”味”

「美味しさ」についてはなかなか数値化が難しい。なので正しくはフルーツガーリックの”味の評価”について。

このフルーツガーリックは多くの人の眼に触れる場に出る機会が多く、そこでの評判について早川さんに話していただいた。たくさんあるので、その一部を。

まず、初めての出荷品が同年のアグリフードエキスポに出展される。そのエキスポでは先行している他の熟成黒ニンニク生産業者も出展をしていたが、その中で一番良い評価を受ける。


アグリフードEXPO

次にフルーツガーリックが出展し、評価を得たのはSan Sebastian Gastronomika。サンセバスチャンで開かれる「世界料理サミット」とか「世界の食の学会」等と表現されるイベント。

そこは世界のトップレベルのシェフが半分くらいは集まってくるような場。ここでも日本から来た素晴らしい食材としての最大の評価を得る。


What is it? | The congress

マドリッドで開催されたサロンドグルメはスペイン最大級のグルメの展示会。2014年は3月に開催。2014年はスペインと日本の就航400周年記念となり、JETROを通じて日本ブースが出るということで民間から10社ほどの募集がかかった。

もちろんフルーツガーリックは選出される。


Salón de Gourmets

このサロンドグルメでは現地のグルメブログがフルーツガーリックに注目し、取材を行う。同ブログではサロンドグルメ全体で10社をピックアップして紹介する。フルーツガーリックがトップバッターだった所からその評価の度合いがわかる。


Pupilas Gustativas: FRUIT GARLIC, LA SUTILEZA DEL AJO NEGRO DE KIOTO

単純に展示会に出展するだけでは無く、その味は参加した人々を驚かせ、食材としての賞賛を受ける。

世界トップレベルのシェフが食材としてフルーツガーリックを認めるのだから「世界が認めている」と謳っても疑問はない。

因みに、これだけのレベルのシェフになれば日本熟成黒ニンニクだけではなく、中国や韓国の熟成黒ニンニクを食べ比べている人や、中には自身で熟成させて料理に使っている人もいる。そんなシェフ達がフルーツガーリックを食べて「全くレベルが違う」と表現する。これはフルーツガーリックが他社の熟成黒ニンニクには無い評価だろう。

一番驚いたのはMartin Berasategui氏がフルーツガーリックを気に入り、毎年2-3皿しか作らないコース用の新作に食材として使用したというお話。また、単なる”黒ニンニク”ではなく”黒ニンニク(フルーツガーリック)”と商品名を入れた一皿にしたと言うことで更に驚いた。


Inicio – Restaurante Martín Berasategui

マルティン・ベラサテギ Martin Berasategui | New Spanish Books JP
※TV番組を持つなど世界で最も有名なシェフの一人である同氏についての紹介

現在では日本橋にもあるサンパウ、映画「世界一予約のとれないレストラン」のフェランの親族や一番弟子のお店、バルセロナにある南米と日本料理をミックスした逸品を出すことで有名なPAKTAなどで使ってもらえている。

RESTAURANT SANT PAU ( レストラン サンパウ ) コレド日本橋ANNEX新館

アドリア兄弟流、ペルー料理店が話題に。 WORLD TOPICS | 料理通信

身体(健康)への影響

現時点で実証結果が得られていない段階なので販売時に”効果”を謳うことが出来ないが、端的に言うとフルーツガーリックを摂取することで「抗酸化力が上がる」「体温(≒免疫力)が上がる」という効果が出ている。

“お客さまの声”に寄せられたメッセージで言うと「風邪をひかなくなった」「冷え性が治った」「朝起きて調子が良い」「しもやけにならない」というもの。同社で簡易の検査を行ったところ、これらは「抗酸化力の向上」と「免疫力の向上」がもたらしていると見られている。

この簡易の検査結果と、お客さまの声に寄せられた目に見える効果に京都府が注目している。京都の産品であるフルーツガーリックが多くの人が必要とする健康食品として更に展開できる事を期待し、検討が進んでいる。

具体的には京都府立医大と組んで、クロスオーバー試験などを実施し、きちんとしたデータを取っていく所からになりそうだ、との事。

また、フルーツガーリックの可能性とは別に同社では「水」と「塩」が人々の健康に必要な要素であると考え、こちらの研究も進めている。フルーツガーリックという食品を取材に来たのに話の規模が大きすぎて、何屋さんとお話をしているのかかわからなくなるくらいだった。

こちらは圧力をかけた塩を加工する機械

こちらは圧力をかけた塩を加工する機械

こちらは酵素を用いた水を生成する機械

こちらは酵素を用いた水を生成する機械

甘いだけじゃない、健康に良いだけじゃない

それ自体の美味しさと健康を兼ね備えた食品は世の中にあまり無いため、フルーツガーリックへの注目度はこれからも上がっていく。

また、フルーツガーリックはそのまま食べても美味しいが、それだけではない。フルーツガーリック、または、そのエキスを使うと素材の旨味を引き出し、料理の美味しさを倍増させる力を持つ。

フルーツガーリックエキスによる味おける効果を体験させていただいた

フルーツガーリックエキスによる味おける効果を体験させていただいた

もちろん、工場で一番新しいフルーツガーリックも食べさせていただいた

もちろん、工場で一番新しいフルーツガーリックも食べさせていただいた


丹後産のにんにくと塩のみで作りました!フルーツガーリック万能調味料黒の極味|ニッポンセレクト.com

こういったエキスやドレッシング、生姜を活かしたシロップなど可能性が広がる食材のため、様々なアプローチが期待出来る商品となっており、それぞれの食材の生産業者との繋がりで新しい味の発見が期待できる。

豊岡の「こうのとり生姜」とコラボレーションした生姜シロップ

豊岡の「こうのとり生姜」とコラボレーションした生姜シロップ

いわゆる「ちょい足し」食材としての優秀なフルーツガーリックはル・マンジュ・トゥーの谷昇シェフにかかると美味しいチョコレートのデザートにもなる。

シェフ交流会 開催レポート|食の専門雑誌 『料理王国』
(“交流会レポートはこちらから”をクリックで展開)ル・マンジュ・トゥーの谷 昇さんは、「熟成 群馬氷室豚」のロースで作ったハム、「ホウレンソウ」のソース、「京丹後フルーツガーリック」を使ったチョコレートのデザートを披露。

今後について

品質の向上以外に今後は多くの人との接点を増やしていきたい、と早川さんは仰っていた。

そもそもこのフルーツガーリックはその味であったり、身体への良い影響(実感)が口コミで広がって認知度が上がった商品。

例えば東京 ふじみ野にあるクイーンズ伊勢丹でのエピソード。

お母さんがフルーツガーリックを子供に食べさせたところ、子供の乾燥肌が改善したという事で同級生のお母さん方に紹介した。これだけがきっかけで同店舗での売上げが大きく伸び、専用の棚を確保してもらったとか。

こういった口コミから広がり、現在では伊勢丹、大丸、高島屋などの百貨店へ販路が拡大している。もちろん、地域の逸品として日本セレクトに出展したのもこういった高評価があったから。


京丹後フルーツガーリック 100g|ニッポンセレクト.com

それでもまだまだ届いていない層があり、そこへのアプローチが課題。

「もっと多くの人が美味しさだけでも、自身の身体に起こった良い効果だけでも伝えてもらえれば。より多くの接点を作ることが出来るようになって、より多くの人にフルーツガーリックがもたらす効果を感じてもらえるようになる。」と言うのが早川さんの言葉。

早川さんは続けられる。

「フルーツガーリックを通じて関わる人がそれぞれの強みを活かして全体像が変わっていくことがこれ(フルーツガーリック)に携わる人間としての楽しみ。これからの世代(第二世代)にはその世代の力を発揮して丹後の地の活性化につながる活動をして欲しい。」

分かり易い表現として「曼荼羅」を挙げて説明してくださった。フルーツガーリックというアイコンに導かれ、ある人はニンニクの生産者、ある人はそれを熟成してフルーツガーリックを作る人、ある人はその研究をする人、ある人はそれを用いて料理にして広める人、そして、たくさんの人の口に入ることにより、健康をもたらすことの出来るのがフルーツガーリックである、と。

「この仕組みを追究していけば他の地域でも活性化に取り組める。真ん中にあるのはフルーツガーリックでなくても、丹後の地でなくてもうまく行く。」と。

農業に携わる人の生活を考え、人の健康を考え、美味しさという楽しみを与え続ける事ができれば色んなものに展開できるから楽しい、という事だった。

早川さんの描く曼荼羅が今後、どの様な形に変わっていくのか興味がある

早川さんの描く曼荼羅が今後、どの様な形に変わっていくのか興味がある

関わった人への見返りがあるのがこのフルーツガーリック事業の素晴らしいところでもある、とハッキリ言われた。単純に「美味しい熟成黒ニンニク」だけでも「身体に良い発酵食品」だけでもアピール力がある。更にその先の事業や事業による社会貢献も視野に入って展開されている創造工房社はとても真面目な、とても真剣な会社。

この商品がより多くの人に届く一端をこのブログエントリーで担えたら、と思えた現地レポートだった。

ブロガーセレクト

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